布のシートではなくレザーシートを採用している車もあります。高級感があって、水が染み込まず汚れに強いシートです。
汚れは付着しにくいですが、次第に劣化はするので定期的な手入れが必要です。
お手入れの仕方は、布のシートとは若干違います。
間違った方法で手入れすると、せっかくのレザーシートを傷めます。
RIDこの記事で、レザーシートの正しい手入れ方法を説明するので、ぜひ参考にしてください。
本革シートの基本|“革”と“レザー”の違いとは?


レザーと言っても、革と皮があり両方は違う素材です。
- 素材そのまま生の状態を皮と呼び
- なめし加工をしたのが革と呼ばれます。
生の皮のままだと劣化しやすいですが、なめしによって素材の耐久性と耐熱性が増します。
革は加工されている
「皮(かわ)」とは、動物から剥ぎ取った状態の生の素材を指します。
この状態では柔らかく、水分を多く含んでいるため、すぐに腐敗や劣化が進んでいきます。
そこで、皮を腐らせず長期間使用できるようにするための処理が「なめし加工(鞣し)」です。
この処理を施した後の素材を「革(かわ)」と呼びます。
つまり、皮がなめしによって加工され、強度や耐久性、耐熱性などを持たせたものが「革=レザー」です。
本革と合皮の違い
「本革」と「合皮(合成皮革)」は違います。
本革は、動物の皮をなめして作られた天然素材で、牛・羊・豚・鹿などが使用されることが一般的です。
一方、合皮はポリウレタンや塩化ビニルなどの合成樹脂をベースに、本革に似せて作られた人工素材です。
本革は使い込むほどに風合いが増す「経年変化(エイジング)」が楽しめますが、合皮は比較的安価で手入れもしやすいという利点があります。
本革の種類
動物の皮を使った素材が本革、合成樹脂のような人工の素材を使ったのが合皮です。そして本革はさまざまな加工方法があり、以下のように加工方法によって表面の見た目が変わります。
- スウェード:革の内側を起毛させた柔らかな質感が特徴。靴やバッグにもよく使われます。
- シュリンク:革に熱や薬品処理を施し、自然なシワ模様を出す加工。高級感があります。
- ベロア:スウェードよりも毛足が長く、やや粗めに起毛されており、独特の存在感があります。
- エナメル:表面にアマニ油やワニスなどを塗布し、艶やかな光沢を持たせた加工。水に強いのも特徴です。
- オイルレザー:たっぷりとオイルを染み込ませた革で、しっとりとした手触りと重厚感が魅力です。
- パンチング:表面に細かな穴を無数に空けて、通気性を高めつつデザイン性も加味した加工の本革です。
- ヌバック:表面を非常に細かく起毛させ、スウェードよりも毛足が短く、しっとりとした上質な手触りを持ちます。
車のレザーシートも、こうした加工方法によって見た目や使い心地が大きく変わります。
メンテナンスするときには、自分の車のレザーシートがどの素材・加工方法なのかを把握しておくことが大切です。
正しく把握しておけば、適切な手入れができ、長く美しい状態を保つことができます。
レザーシートが劣化する理由|放置でどうなる?


車内は夏になると高温になり、冬は気温が下がり、梅雨時期や雨の多いときは湿度が高くなります。
レザーシートもそんな環境にさらされ、さらに人が乗り降りしてこすれるので、劣化しやすいです。
また、紫外線にもさらされるので、次第に劣化します。
メンテナンスせずに放置すれば、汚れていきべたつき、紫外線によって色落ちも発生します。
レザーの内部に水分が染み込めば、場合によってはカビも生えるでしょう。
劣化すれば、レザーの素材自体もダメージを受けて変化します。
よく見られるのが、表面がこすれることによるレザーの変化、そしてひび割れです。
シワや縮みも発生します。1度こすれてすり減ったり、ひび割れたりしたら、修復するのは大変です。
補修や張替えをするとなれば、数万円以上かかるでしょう。
レザーの汚れや劣化があれば、早めに対処すると費用を抑えて修復でき、元のレザーの状態に戻せないということを防げます。
失敗しない!レザーシート手入れに必要な道具と基本手順


レザーシートをお手入れするときは、専用の道具を用意します。
布のファブリックシートとは違い、撥水性があるので、その性質に対応した掃除を行います。以下の道具を用意しましょう。
- 保湿用ローション
- マイクロファイバークロス
- 掃除機
- 柔らかいブラシ
家庭で使用する中性洗剤やアルコール除菌シートは、変色の原因となるので、基本的には使わないようにしましょう。
ローションやクリーナーは、レザーシート専用の製品があるので用意してください。硬すぎる布やブラシは、レザーを傷める原因となります。
お手入れの手順
基本のお手入れは、シートの汚れを取り除き、拭いてから必要に応じて保湿し乾燥させるという流れです。以下の順でお手入れします。
最初にシート表面のゴミを掃除機で取ります。
その後は、専用クリーナーをシート表面に塗っていき、汚れを浮かせます。
その後は、専用クリーナーをシート表面に塗っていきます。
浮いた汚れをマイクロファイバークロスで拭き取りましょう。
長い間お手入れしていないと、レザーのコーティングが劣化しています。そのため、クロスで汚れを拭き取った後は、保湿やコーティングを行いましょう。
最後に乾燥させて、お手入れ完了です。
直射日光で乾燥させるとレザーが傷むので、直接日光が当たらないようにして、乾燥させてください。感想が不十分だとカビが発生するので、十分乾燥させましょう。
クリーニングと保湿・コーティングを同時に行える製品もあります。こんな製品を使うと、効率よくお手入れできて便利です。アルカンターラやパンチングレザーは、水拭きできないので、ブラシや掃除機を使い掃除します。
よくあるNGなお手入れとその危険性
レザーシートは、布のシートとは違い撥水性のある素材であり、劣化を防ぐために表面はコーティングされています。間違った方法で手入れすると、レザーを傷めます。NGなお手入れ方法を見てみましょう。
家庭用のクリーナーを使うと変色やひび割れを起こす
家庭で使用する中性洗剤は、油汚れを落とすのに役立ち、多くの場所で使用できます。
ただし、レザーシートに使うのは避けるようにしましょう。
中性洗剤は、レザーを傷める原因となるので、使わないようにしてください。
一度変色したり、ひび割れが発生したりすると、修復するのが大変です。汚れが目立つ場所には専用クリーナーを使います。
ただし、専用クリーナーがない場合は、家庭用洗剤を薄めて使用し、すぐに水拭きと乾拭きして乾かすようにしましょう。洗剤を使った部分は、よく拭き取るようにします。
アルコールを使うとひび割れを発生させる
アルコールは除菌効果があるので、車内でも使用する場合もあります。
しかし、レザーシートに吹きかけて使うのは止めましょう。
使用するとコーティングが剥がれることがあり、コーティングがなくなった部分は劣化しやすくひび割れすることもあります。
アルコール度数が低いとレザーにダメージを与えませんが、除菌するならば、レザー用の製品を使ったほうが良いでしょう。
力強く擦るとレザー表面が傷む
レザーシートの表面が汚れているからといって、力強く擦って掃除するのは止めましょう。
力を入れすぎると、表面のコーティングを剥がし、さらに本革にもダメージを与えます。
強く擦ると、破れたり変色したりする原因となります。
力強くこすれないので、汚れがついたらすぐ拭き取るようにします。
汚れが固着する前に拭き取れば、力を入れなくてもきれいにでき、レザーを傷める心配がありません。
水拭きと乾拭きでも十分に汚れは落ちますが、なかなか落ちず汚れが気になる部分には、レザー専用のクリーナーを使って掃除しましょう。
それでも汚れが取れないならば、専門店でクリーニングしてもらうと良いでしょう。
水分が染み込むとカビが発生する
レザーシートには、穴の空いたパンチングレザーや起毛しているアルカンターラなどがあります。
これらのシートには、水や洗剤を使って掃除すると、レザーの中に水分が染み込み、染み込んだ水分はカビを発生させ、レザーを傷めます。
そのため、水拭きはNGであり、汚れが目立つ場合には他の方法で掃除しないといけません。
汚れが目立つ場合は、ブラシで力を入れずに擦ってきれいにします。
掃除機で吸い取ると、付着したゴミが取れるでしょう。
その後、専用のクリーナーを使って掃除してください。
固く絞ったタオルで、擦るぐらいだと水分が染み込まないので、お手入れで使っても構いません。
プロ施工の「レザーシートコーティング」とは?


レザーシートの表面は保護されていますが、次第に劣化していくので色があせたりひび割れたりと、シートは傷んでいきます。布のシートとは違い、一度劣化したら修復するのが大変です。
レザーシートの表面にコーティング剤を塗布して、コーティング被膜で覆うのがレザーコーティングです。
レザーコーティングのメリット
レザーシートをコーティング被膜で保護するので、レザーが劣化しにくくなり、汚れがつきにくくなります。
汚れがついても、コーティングの撥水性能で落としやすくなり、掃除がしやすいです。
抗菌や防臭性能が得られるコーティングが多いために、汗や食べ物のニオイが付着しにくいです。
レザーを保護するので、レザー本来の質感や艶が維持され、シートの高級感が薄れません。
柔軟性や弾力性も保たれるので、座り心地の良い状態が長く続きます。
レザーコーティングのデメリット
施工してもらうとなれば、業者への施工費用が必要であり金額が高いです。
10万円近くになる場合もあるでしょう。
また、1度施工してもコーティング効果は半永久的には続かないので、効果を得るならば定期的に再施工しないといけません。
そして、施工後は乾燥させないといけないので、最大で1日程度乾燥させるための時間が必要です。その間は車を運転できません。
自分で行う方法と専門店で施工するときの違い
レザー用のコーティング剤が売っているので、用意して自分で施工することもできます。
ただし、下地処理が必要であり、施工後は十分に乾燥させないといけません。
自分で行うと施工費用を抑えられますが、失敗する可能性があります。
専門店で業者に施工してもらうと、それなりの費用がかかりますが、失敗なくコーティングしてくれます。
また、レザーシートの素材に応じて、適切なコーティング剤を使います。
RIDでは、室内専用コーティング剤を施工できる
RIDが使用するレザーシート専用のコーティング剤です。
レザーはもちろん、ファブリックシートでも使えます。
このコーティング剤でコーティングすることで、シートを擦れや汚れ、濡れから守ることが可能です。
しかも、レザーシートで施工すれば、レザーの質感や手触りはそのままにして、保護効果を発揮します。
プロ用のコーティング剤であり、高い防腐効果や保護効果を得たい人におすすめのコーティング剤です。
日常ケアのポイントと頻度


レザーシートを美しい状態に保つならば、日頃からケアを行うようにしましょう。
基本は汚れたらすぐ拭き取り、汚れをシートに残さないようにします。また定期的に大規模なケアもしたほうが良いです。
次から、どんな風にケアするのが良いか紹介します。
汚れたらすぐに拭き取る
レザーシートに汚れが付着し、シミになってからでは落ちない場合があります。そのため、汚れたらすぐ拭き取るようにして、シミを作らないようにしましょう。
強く擦るとレザーが傷むおそれがあり、シミになっても擦って落とすことが難しいです。そのようなこともあり、普段から汚れは拭き取るようにします。車内にタオルやウエスを用意しておき、いつでも拭き取れるようにするとシミを作る心配がありません。
月1のケアと数ヶ月に1回の本格ケア
シートには自然と汚れがついていくので、定期的にケアしましょう。
月に1回のケアと数ヶ月に1回の本格ケアを行います。
月1ケアは、柔らかい布で乾拭きして、ぬるま湯で固く絞ったタオルを使い水拭きします。
水分を残さないように、仕上げに乾拭きして乾かしてください。必要に応じて、最後に研磨剤の入っていないレザー用クリーナーで拭いておきます。
本格的なケアは、レザー用クリーナーを使って掃除し、その後に保湿剤であるレザー用のコンディショナーを塗ります。
コンディショナーはよく伸ばして塗っていき、15~30分ほど置いた後に余分な油分を拭き取ってください。
レザーの日焼け対策として、窓ガラスにUVカットフィルムを貼るか、サンシェードを設置しておくと良いでしょう。
デニムや汗の色移り対策
レザーは汚れるばかりではなく、デニムや汗で色移りする場合もあります。
色移り対策には、シートカバーが効果的です。
ただし、カバーをかけるとレザーの質感が失われます。
中にはカバーを好まないという人もいるでしょう。そんな人には、コーティングがおすすめです。
レザーシートの表面をコーティングし、コーティング被膜がデニムの染色や汗を防ぎ、レザー部分に色が移るのを防止します。汚れをつきにくくする効果もあり、メリットの多い方法です。
こんな症状が出たらプロに相談!


少し汚れているぐらいだから、多少すり減っているだけだから、などと少しの汚れや劣化を放置すると、シートのダメージはどんどん広がる恐れがあります。次のような症状が出ている場合は、早めに専門家へ相談するのが良いでしょう。
シートにひび割れ、色ムラ、ベタつき
革シートや合皮シートの表面に細かなひび割れが見えたり、部分的な色ムラ・ベタつきがある場合、それは劣化の初期サインです。
放置すると破れや変色が進行し、修復が難しくなることもあります。
早めに相談して対処すれば、十分修復可能であり、美しさや質感を取り戻せます。
カビ臭や水染みが消えない
室内の湿気や飲み物のこぼれなどで、カビのニオイやシートへの水シミが残っている場合もあります。
ニオイは市販の消臭スプレーで一時的に和らぐことができても、内部が汚れて湿っていれば、ニオイやカビは再発することが多く、衛生面でも不安です。
そんなレザーの状態だと、プロによる徹底洗浄・除菌がおすすめです。
シート内部から掃除するので、内部の汚れがきれいになり、悪臭やカビが消えます。
DIYでうまくいかず悪化しそうなとき
自分でレザーシートの修復をして、仕上がりが不自然だったり、傷が広がってしまったという場合もあります。素材やダメージに合った専門的な対処が必要な場合は専門店に相談しましょう。
そのまま無視して、さらに修復を続けると、レザーのダメージが広がり取り返しのつかないことになりかねません。
専門店による「状態チェック・見積無料サービス」実施中!まずは気軽にご相談ください。
「これは直せる?」「どれくらい費用がかかる?」と迷ったら、RIDの様な専門店で相談してみましょう。
経験豊富なスタッフが、最適な修復プランをご提案します。見積もり後のキャンセルもOKなので、安心してご相談いただけます。
よくある質問(FAQ)
ここでは、レザーシートの手入れでよくある質問の回答を行います。
- 本革シートに水拭きしても大丈夫?
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レザーシートは水が染み込まないので、基本的に水拭きしても大丈夫です。汚れが酷いときは、洗剤を混ぜた水を使って水拭きしてください。アルカンターラやパンチングレザーは、内部に水が染み込むので、水拭きはしないようにします。
- レザーシートにおすすめのクリーナーは?
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汚れを落とすために使うならば、本革専用のクリーナーがおすすめです。本革を傷めないで、汚れを落とすことができます。
- シートのベタつきを取りたいときはどうすれば?
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中性洗剤を少量混ぜた水にウエスを浸して固く絞り、べたべたしている部分を拭いていきます。その後乾拭きすれば、べたつきがなくなります。頑固でなかなか取れないときは、水拭きと乾拭きを数回行ってください。
- ヒビができたらどうすればいい?
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補修用塗料があるので、それを使えば補修できます。最初にサンドペーパーで磨いてから塗料を塗ります。補修できないぐらいのひび割れだと、シートを張り替えるしかありません。
- DIYとプロの違いってどこ?
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プロは素人では使わない専用の道具や洗剤を使って手入れします。また、培ったノウハウによって、素人では難しいような汚れや傷も対応できます。修復が難しいケースでも対応できる場合があります。
まとめ


レザーシートは、ファブリックシートとは質感が違い防水性があります。
少しの汚れや劣化で目立つこともあるので、こまめにお手入れすることをおすすめします。
普段からの手入れと、数ヶ月に1回の本格的なメンテナンスで、美しいレザーの状態を保つことが可能です。
ただし、お手入れするときは正しい方法で行うようにしましょう。間違った方法で下手に行うとレザーを傷めます。
自分で手入れできない、汚れが落ちない、ダメージが修復できないなどがあれば、弊社、RIDのようなプロの専門家に相談してください。



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